先日いらしたお客様は、40代前半の女性。
高校生のお嬢様とご主人の3人家族。
腰痛で身体全体が硬く感じる、と。
「身体が硬いとは、柔軟性が乏しいということですか?」
『いえ、とにかく全身がこっているというか、筋肉痛のような感じです』
「それはいつからです?」
『そうですね・・・もう5年くらいになるかしら』
「5年ですか・・・5年前に何かありましたか?環境が変わったとか」
『いえ・・・特には』
とにかく、いつも通り身体の流れを読みます。
両手と両足から身体全体が引っ張られています。
当然腕も脚も硬い。
頭にもあちこちコリがありそうです。
コリを確認するために、頭を指先で押します。
「どうですか?」
『・・・』
「痛みや違和感はありますか?」
『・・・いえ・・・』
(ふむ、読み違えたかな。先に手足を整えるか)
両手のひら全体が固く締まっています。
手のひらを指先で押してコリを確認。
「どうですか?」
『あのう・・・』
「はい?」
『先生の押す力がソフトなので、よくわからないんです』
「え?ソフトじゃないですよ、かなり強く押していますが」
『私が押す力に比べたらずっとやさしいです』
「?どういう意味ですか?」
『私、毎日両手両足を棒でマッサージしているんです』
「ひょっとして、5年前から?」
『そうなんです・・・雑誌で紹介されていたので』
なるほど、そういうことか。
自己マッサージで手足を刺激しすぎて、コリになっているんだろう。
もう一度頭のコリを確認。
今度は両手を使ってていねいに頭の流れを読み、コリと対応点を探し出す。
ていねいにコリを溶かしてゆきます。
かなりコリが取れたので、残っているコリを指先で軽く押します。
『あ、痛い痛いですっ』
「頭全体がコリになっていたようですね」
頭のコリを一通り溶かして、手のひらと足裏のコリも溶かします。
かなり時間がかかりましたが、身体全体がまろやかになりました。
お客様は途中、少し寝てしまいました。
手足のコリが全身を引っ張っていたんでしょうね。
全身に引っ張りが緩和され、緊張がゆるんだ結果寝てしまったんでしょう。
腰痛の原因である骨盤や仙骨のゆがみは、大部分整っていました。
最後に微調整しておしまいです。
「立てますか?」
『頭がフラフラします・・・』
「もう少し横になっていてください」
さらに数分後。
『もう大丈夫です・・・』
「ゆっくり立って下さい、身体や腰の調子はどうですか?」
『身体が軽いです。今までが重すぎたんですね。腰も痛くありません』
手足のセルフケアをお教えして、セルフマッサージはしばらく控えてもらうことにしました。
何事も程度の問題ですね・・・。
身体にできたコリがコリを生み出すことはよくあります。
こうなると、結構身体の引っ張りが交錯していて複雑になっている場合が多い。
当然、引っ張りバランスを整えるのは時間がかかります。
このお客様のように、自己マッサージ等でコリが出来る場合も、結構あります。
身体に強い力を加え続けると、場合によってはコリが生じて不調の原因に。
自己マッサージは負担にならない程度にしたいものですね。